To be continued

単純な日記です。

詩ーーーー潜水艦

深い深い海の底に落ちていく潜水艦。進路も何もかもが分からなくなる。深い海の底は漆黒の紺色のような泥が覆い、いまはそういうこころの内にいる。次第に上下左右が分からなくなり,ああここでは、何もかもが無秩序であるばかりになった。地上はよかった…わたしは思う。地上には差別や諍いがあり、日々悲しいことだらけだったけれど、まだ秩序があった。秩序があれば、感情があった。けれど秩序がないというのは、心を闇の中にあるだけのように見せるから、ただただこれまでの自分を、蝕んでいくだけなのだ…けどわたしの兄はこういうところで生まれたはずだった。だから彼の言葉は,まだ信頼がおけると思う。わたしのからだの方はいつのまにか、とてもとても大きくなってしまっていた。だからいまや、わたしの住んでいる家といえばそこらじゅうの国の公道へつながっていて、何の囲いもなかった。わたしの吐くことばにはまったく無駄が許されなくなった。わたしは囲われている動物のような存在で、皆のために言葉を吐く。そうすると述語や目的語,修飾も無駄な紆余曲折もゆるされずに、主語がないままで動詞だけが流れだしていくようになった。それは、取り留めもなくどこかへ注がれていく川みたいに見える。わたしがどんどん流れだし,けどもうそれを、悲しいとは思わない。わたしは生きる仕組みを失ったまま流れだし、繋がるところもわからないままでさまよう。それがわたしのことばで、わたしのこころはいつまでたってもどこへも行くことが出来ない。心は,そんなふうにしていつの間にか深い深い海の底に沈んで行くみたいになった。
わたしは上下左右も分からなくなり,潜水艦は何がしたいのか,どうあればいいのかも分からなくなった。そこにいてただ、これからはずっと言葉がなんのきっかけもなくうまれてくるのを待つだけになった。