To be continued

単純な日記です。

今日は夕方くらいから雨が降り始めて、夜になって僕がアルバイト先から帰るくらいまでそれがずっと続いていた。この季節の雨は寒くて、薄手のコートで来てしまったから自転車を漕ぐと手が冷たくなってしまった。僕はスーパーへ寄るのは面倒だったので途中でコンビニへ寄って、安売りしていたお弁当を買って帰った。家に戻ってから、本を読むつもりで東野圭吾を買ってきていたけど今日は漫画の続きを読んだ。今日は色々なものに触れたいって言う気持ちがあったので、絵や詩、それから過去の文なんかを読んだりした。そうしていると、本当にあっという間に一時間も二時間も過ぎてしまう。こう言うときは、もっともっと自由な時間が欲しいと思う。効率もあまり良くなくて、人の文を読んでいるうちに何故か自分の文をチェックしたくなってきてしまう。HUNTER×HUNTERは面白かった。何年経っても変わらない面白さ。それから、ちょうどミュージックステーション椎名林檎が出ていて、正しい街を歌っていた。最初、イントロだけ聞いてCMかなと思ったけど本当に歌っていたからびっくりした。椎名林檎はいつ見ても椎名林檎で、自分が十代の時にそれを聴いていたなんて何か信じられない気がする。けどいつ聞いてもよい、それから椎名林檎椎名林檎然としている、という変わらないものがなんとなくでも日常のなかで嬉しいと思う。寝る前に去年の日記を恐る恐る見てみると、何かやたらと明るかったり喋りまくっている人がいるようで僕は疲れた。去年は何もいいことなんてなかった。僕は毎日をつらいと感じていた。僕は、けど、文芸にしがみついていて、そしてそこに、その時の辛さを込めたり、表現したりしようなんて感じていなかった。僕はただひたすらに、理想を追求するだけだった。そんな僕はどこかがアンバランスに見えたのかもしれない、その後であった人に言われたことなんかを思い出すけど、でも何度言われても僕には、それができなかった。反省したり、日々を反芻したり、悲しみを描いたり、泣いたり、そういう、自分の中に本当にあるものを見つめて、あるもの、失ったものを秤にかけて、ああ、哀しいって泣くことが僕にはどうしてもできなかった。表現することは、できなかった。僕はすべてデフォルメすることにかけていて、文芸っていうのを僕は道具だとみなした。そこに、いくらかの本物はあっても、僕らは分厚いガラスみたいなもので隔てられていた。生活は厳しく、友人は皆離れていって、僕は誰とも話さなくなった。話したいとも思わなかった。僕は、皆を積極的に嫌った。僕は、そうして、思い出せなくなった。失ったもの、離れていった人、理由、自分の言ったこと、そういうの忘れてしまって、それから自分の手に残ったものは、それなりに見えたりもするけど、何かどこか、僕はまだそれが恥ずかしい。先生みたいな人から、もっと人の言葉で、人の気持ちを込めるように諭されたあたりから、僕もそれを意識するようになったけれど、でもそれはやはり僕にとっての理想に近いもので、僕はそこにある日々の反芻をするばかりで、自分という人間の半分を構成しているものがなんなのか、そういうことをこじ開けてみる勇気さえもなかったような気がする。僕がそうやってしがみついていた文芸、それは未だ誰にも届いていない。まだそれは僕のためにある。例えば、辛いこと、行きつかないような吐露、そういうことを、救われないままの形にしたとして、僕はそれは迷惑なんじゃないかと思っていた。なによりも、自分が寂しい。辛い。だって誰も、それを救う手立てもないままでそこに、ただ吐露する、そういうことを何度もやるが、いつもそれは止めどなくなって、僕は泣いているだけになった。もうそういうのを、僕はやめようと思った。そんな僕は、ずっとずっと、空を飛んでるみたいだと言われた。僕は、地に足が付いていなかったんだろうか。現実にあるものを描かず、反省を描かず、虚構ばかりを描いて、そしてそれがまだ、誰にも届いていない、そういう状態の僕は、いつも、誰から見ても笑われやすい存在に違いなかったと思う。