To be continued

単純な日記です。

残響

彼らの言う、夢や希望、愛なんかのことを僕も考えたりする。彼らは、いつも足を引きずって歩き回っている。僕らの後ろを追いかけてきて、そして吐く言葉、彼らの体はがらくた同然に乾いていて、何も響かない。それなのに、まだ生の味を覚えていて、そこらじゅうを歩き回っている、その音だけがする。彼らは、そこにあるものを食べるんだけど、悲しいことに彼らの身体は響かない。彼らは、味がわからない。それなのに、ああ、何故かそれがあることだけは分かっていて、それから必要としている、ような気がしていて、それを舐め回して味わおうとする。毎回。おいしい、そんな顔をしているのに、それが、僕がやっと守り続けてきた誰かの思念だったことも知らずに、そして、彼らの体には微塵も何も残さずに消えてしまう。僕はそのことを思うと哀しい気持ちになる。彼ら、ただの残響じゃないか。残響が、今も体を持ち得るだけじゃないか。それなのに、僕ときたら、彼らと正反対に、それが苦しいなんて!彼らが日常的に食っているものは、いまや、そこらじゅうにあふれていて、それはもともと誰かのこころだったようだ。僕はそのことを知り、哀しい、彼らからしたら、けど食い物でしかないんだ。彼らはそこらじゅうにいて、それなりの言葉で話し、紳士で、優しくて、常識があるのに、中身はかさかさに乾いた節くれみたいで、もう、何も響かない。言葉がわからない。子どもの怖さがわからない。女性の大切さがわからない。一体、何のために生きているのかも分からない、死に方も分からない、単なる足を引きずっているだけの、もう二度と響くことはない、哀れで、愚かな、単なる誰かの古びた、もう生き物でもなんでもない残響でしかないんだよ。