To be continued

単純な日記です。

僕の住んでいるアパートは地下鉄の駅のすぐ近くにあって、周りに例えば満喫、それからビデオ試写室、ブックオフなんかがあったりします。休日とか半日、時間があってたまたま体力が余ってるみたいなときは、特になんの用事や理由がなくとも自転車に乗って遠出してみたりします。ここら辺は若者や古い八百屋で買い物するために来る主婦たちがごった返しているため、そういう音を仕事中〜在宅中もずっと聞いている僕は、なるべく遠くへ自転車を漕いで行きます。僕が以前住んでいた場所は新興住宅地と言われる場所にあって、それは何故かというと安いからということで利便性などは馬鹿だったので考えていませんでした。その町は新しかったため町の名前に爽やかな島みたいな字が使われていて、たしかに、低く建つ建物の感覚はまばらで空の方が広く広がる景色が印象的だったし、建てられた住宅も新しく、土になじんでない感じがしたし、そこを通り抜けていく風はいつも強く、僕は寂しさを煽られる感じがしていました。僕はそこを通る時、住宅にあるまだ若い夫婦の子どもの自転車とか、取ってつけたような外壁、装飾なんかを見て、さらにもっと寂しくなったりしていました。工場で働いていたので、いつも僕は白装束のような、目しか見えない作業着を着て働いていました。僕はあのときのベルトコンベアーの巨大さ、それからそこにいた人たちを名字で今も覚えていて、さまざまなシーンを映画のワンショットみたいにして思い出します。あの時はあんなにも毎日僕を捕らえていた感情が今はなくなってしまい、僕はひとりの観覧者みたいな気分でそのことを思い出します。ひとつひとつが懐かしい思い出です。休みの日になると僕は特にすることもなかった為よく農家の集まりが催す直売所に行って野菜を買っていました。そこにたくさん、さまざまな思い思いの形の野菜がひとかたまりになって売られていて、一人でそこに来た僕は、家族連れや、お年寄りなんかに混じってそれを夢中で選びます。そして、会計を済ませ、一人用の数少ないメニューを考えながら帰る時が一番あの暮らしの中で幸せな時間だったように思います。僕はそのことを思い出しながら、今も時々以前と同じ直売所へ向かいます。その場所は今もまったく変わらないのだけど、僕がそれを買うときは、その風ばかり吹いている寂しい、いくら晴れていても灰色にしか見えなかった町に捕らえられてしまうような気分ではなく、幾らか町のことを分かったような、あとはそれらのものに対して少しだけ突き放し、親しみを感じるような穏やかな気分でいたりします。