To be continued

単純な日記です。

ギルティを観た

◯ギルティを観た

主人公は警察の緊急電話を請け負う部署で働く男だが、何やらここに元からいる社員ではなく、事あるごとにかかってくる電話から彼がいつかは「現場」へ戻る、現場で働いていた警察官だったということが見えてくる。普段通りに受付をしていた彼だったが、一人の誘拐されたという女性から来た電話で事態は一変する。映画は電話受付をする主人公とその職場のみしか出てこず、電話先の声や音から、誘拐された女性、子供、夫、それから他のセンターや職員の状況をこちらが「推測」することで物語は成り立っている。

あらすじから見て、一見主人公がその難題に向き合い、解決していくハリウッド映画だと思うのだが、見始めるとちょっとちがい、ちょっとしたボタンのかけ違いから誘拐が救いようのない家族の暗部を見、しかもそれをみずから良くない展開へと導いてしまうふうになっており、こちらからは主人公の罪とその「よくない対応」「その後の心理」をまざまざと見せつけられる。ウッ…てよりも、他人事ではないなと感じるむずむずするような展開。このへんの妙は第九地区のダウナー設定にもちょい共通する文化なのか…

ギルティは60分程度の映画で、内容もちょっとした短編小説にありそうな話だけれど、主人公が誘拐の事件に付き合っているうちに、自ら起こした事件の罪深さに耐えられなってしまい、ひいてはそれが、自らが降格され現場から離されてしまった原因だったことが明らかになる…(そしてこの日は主人公の同僚が、主人公の罪を被り明日、公判に出るというとてもナイーヴな状況だったらしい。)という展開など人間心理について違和感のない練られた展開になってます。「部屋に入るなって言ったのに…」「蛇が」の下りはぞっとする。そのほかはちょっとむずがゆく感じるブラックユーモアも散りばめられており、主人公がイヤホンを外す時怒りに紛れてぺち!とおでこに当ててしまうシーンとか「欧米的ギャグ※集中して見てないとわからない程度のさりげないとこ」にわらってしまう。

ちょっとしたとこをこれでもかーってほどに展開し、映像の技術と役者の演技で味わえる(?)のは映画ならでは??女性と子どもは普通にかわいそうで、その辺も誤魔化すことなく演じられている。