To be continued

単純な日記です。

(詩)砂糖菓子の王

そうです、僕にはアイデンティティなんてありません。ただ、なんとなく…なんとなくでここまで生きてこられました。世界をたとえば、おおきなみずがめだとするのなら、その中で時々流れが変わり、たゆたう部分が出てきます。僕はそれなのです…僕の劣等感はそれなのです。僕はこの年になるまで人生に対する哲学をもうけずに、たゆたうように生きてきました。けれど、ここにはそんな人がたくさんおり、そういったひとたちのこころを掴むのもまたたゆたう思想なのです。僕はうらやましい、たとえば、空気を読まずに発することの出来る人。それから、自分の人生を、転びながらも築き、自分だけの信念をもつ、頑なな人。そういう人たちに会うたび、僕は劣等感を感じずにはいられません。本当の友人、本当の喜び、それは、もしかすると僕の経験できない部分に沢山こもっているのではないか。僕の選ばない部分にこそ、本当の人生があったのではないか。そう僕に思い込ませる…僕の前で歌う君達、君たちの涙、僕はそれをすべてくらい尽くしたくなる。勝っていたのは僕だったのに…たゆたいながら、ひだいかした僕…いやぼくたちは、貧民を許さなくてもいいのだとある時思いました。僕は、…そういう人たちを陥れてきました。僕は、たゆたっているだけの思想なのだから、多くの集合知を、なんとなく発することはできるのです。そう、僕はテレビなのです。いえ、僕は、インターネットなのです。誰かが作り出した、誰かのための映像…憧れ…悦楽…砂糖がしまみれの思想を食べておけば満足な、かわいい僕の下僕ども、嗚呼、ここに、そりゃいっぱいの魅力があるさ。くらえ、ばかども。自分の頭で考えられないウイルスまみれの貧民ども。僕は思想の王にも、哲学の覇者にも決してなれない。農民上がりの王様を、最も憎む、飽食のたゆたう覇者だよ。ああ、その人たちを信じ込ませて僕はそこへ流し込むのです。「砂糖がしの思想」を…ぼくは…ぼくの体をなくしたたましいは、少女のようでもあるし時に老人のようにも見えそうです。あ、あ、あ、そうです、僕は、僕は男にはなれなかったのです。祖母、祖父、父それから母。僕は男だと、僕の望む人からは認めてもらえなかったのです。僕は悲しければ悲しい時に泣きます。嫌なことはいやだといいます。僕は僕の正当性を見つけて、決して理解できないこと、決して勝てないことを平に、僕のようにならしてゆきます。きままに、わがままに、なまいきな女になりすましてあなたがたの噂を流布します。僕の泣き声は日々、だれも知らない島を沈ませているのです。けど砂糖菓子の思想はこれからも続きます。それは心地よい、究極の揺蕩う思想だからです。
…世界はみにくい僕のえつらくまみれに今後もなる。