To be continued

単純な日記です。

何が言いたいのか分からない

今日は仕事だった。いまの仕事は、暇なぶん特にトラブルもなく過ごせるところが良いところだと思う。ひとつ前の仕事ではこのような事は無かったし、それはだいたい週始めと週末に何故か集中してやってくるのだった。トラブルは多分、天国の事情で来ているのだと僕は感じていた。
そんな穏やかな仕事だけれど、やっぱダサい方の人が集まってくる場所ではあるので、変なお客さんが多い。特に最近多いのが「何言ってるか分からない人」みたいなので、この人が毎週ほぼ毎日でやって来る。だいたい夜の九時過ぎくらいに来る。僕は接客をしながら分析してみたのだが、何言ってるかわからない人はとりあえず、滑舌が悪い。それから、自分が何を言いたいのか分かってないのもあると思うんだけど、話していることの内容の方についてもさっぱり意味が分からない。だいたいでそれがいま必要か?っていう。しかも僕がレジを打ちまくっている時とか、埃をはたきまくっているみたいな状況があるとそこに絶対駆けつけてくるようなのだけど、僕はその理由がわからなかったためにいろいろと考えてみた。多分「熱」なのだと思う。彼は、エモーションを感じる部分に駆けつけたくなる習性を持っていて、けどそれは理由などなく単なる習性なのでしかないから、集まってきたときに「なに、どうしたの」と聞くと本人も分からなくて「ボーッとしてた!(^.^)」みたいな返事が帰ってくるんである。僕はもう、そいつを「こわいやつ」と見做すようになった。
それで、その何言ってるか分からない人、観察したところによると多分フリーターか三十代の学生か何かみたいである。そいつ、店内入ってくる前からスマホとか携帯ゲームみたいのをいじっているものだから、意識がそこに囚われっぱなしで冷蔵庫のドアに全身をぶつけるみたいなことを毎回やっていて、「何名さまですか?」と聞いたら「チンコ五十名」って答えるみたいなことをずっと毎日繰り返してくれている。トイレに行けば水を流さないままで出て来たりするし、その事を注意すると逆切れで返してくる。僕の恐ろしいと感じたのは、逆切れする判断が異常なくらい早かった事だった。その間わずかに0.1秒。普通なら「ハッ…やばい…どうしよう、恥ずかしい…ぐぬぬぬぬ」くらいの五秒はあってもいいはずが即でドアを叩いた時、僕は本当に許せないくらいコイツ気持ち悪いなとその時に思った。たかが小便くらい、大人なんだからゴメンねくらい言えるやろうが!!あとは本の在り処がわからないといってカウンターまで来て店の対角線の交わる位置くらいにタラちゃんみたいな感じで立っていたりするし、自身の存在さえ何かよく分からないためかずっとこっちを見ているみたいなことがあっていつも僕は、この人と会う回数を重ねるごとに募るものがあって、最近は顔を見てるだけで「何がいいてえんだよ、テメーは!」とレジを投げつけたくなるようになってきた。僕は普段、例えば相手がうっかりうんこをポロポロこぼしたとしても「大丈夫?」と優しく理由を聞くことができるくらいには穏やかである。しかし許せなくなることもあるもんだなと思ってこのように書いてみたらちょっとすごすぎてびっくりしてしまいました。世の女性、深夜営業のコンビニで働く若者がいたらこのようなストレスを常日頃抱えているのだと思って少しだけでもいいから優しく接してあげてください。その方が地球は丸くなると思います。

で、まだあるんだけどそいつの話し方、とにかく主語述語目的語がばらばらだったりして、急に「戸棚!」とか叫びだしたりする。
「戸棚!」
「…はい?」
「戸棚!戸棚!」
「……」
「あの、戸棚の中にあるそれ!それ!」
「は?」振り向く僕。戸棚じゃ無くてコルクボードだろうが…!
「これが何か」
「それって店員さんの指定休ですか?」
知りませんけどーーー!!
みたいな感じになる。あとは「ですよね」みたいのもある。
「ですよね」
「はい?」
「だから、ジャンプなんですよね」
「何言ってるか意味わからないし、滑舌悪くて聞こえないんですけど」←早口
「だから、呪術回戦載っているのってこのあいだ、マガジンってタカセさん言っていたじゃないですか。でもジャンプですよね」
言ってませんけどーー!みたいな感じになるし、もうこの時点で名前を知られていることに対して不快を感じている僕がいた。


まあそれはいい。

今日はそれで、また文芸の人から呼び出されて会うことになった。この間の飲み会を経てから「高瀬=アンゼン」の事実が一部に知れ渡ったらしく、こういった呼び出しをよく受けるようになった。去年までは、それは単なる怪しい人たちからのいじめを受ける会でしかなかったけれど、最近まともな人からも声をかけられることが僕は嬉しい。これって、立派な「経験」じゃないか…
で、今日の議題は「タカセがずっと人の真似ばかりしていること」に終始していて僕のやることといえばそれを見つめて微笑んでいることだけだった。僕言いたいのだけど、たしかに僕も多かれ少なかれ真似はしていたが、それは彼らが僕を注視しているから言わさることで、僕が真似していたAさんは僕を真似しまくっているし、僕が真似していた城山さんは僕を他の人を真似しまくっていた。城山の真似はかなりえぐかったので僕は黙っていたけれど、あいつは素人の乱文とか僕の頑なな文を勝手に掘り起こしてきて改造したあげく皆に見せて褒めてもらうみたいな一番やっては行けないことを堂々とやっていたのである。けどそのことを誰も言わないので、僕は、腹が立っている…それに、僕について何か言いたくなるのは僕がまだドラゴンボールも知らずにほぼ赤子同然だったときから僕をくまなく見ていたせいで、他の人は赤児時代を許されているのは何故か、これは不公平「すぎる」んじゃないか、と、僕はそのことを言ったのだけど、「黙って聞いてなさい!」と言われたので、はいはいはいという気になって黙っていることにした。つまりこれは、キャラクターなのだと思った。城山=いいにくいだけれど、高瀬=言ってもいいなのだ。よかったな。その後は、普通に文芸の人の作品を見る会などが開かれて、そういう事をしてる間もずっと僕は今回、いてこまされているだけだった。僕が思ったのは、先輩方がすごいっていうのは分かった。見せたかった、っていうのも分かった。僕は、すごいねって言いたくなった。本当にすごいよね…勝てないな…自分にはない発想だし、書ききる体力も、ないし……それは本心だったが、そう言った三秒後くらいで僕はすぐ、帰って僕なりの何かをしなければ死んでしまうのではないかというくらいの、おのれの負けん気を感じてしまっていた。ここ数年、僕が繰り返していたのはこの、両者無限バスケットボールルールで、とにかく毎日必ず点を入れてないと死すくらいの圧力でもって、負けん気は僕で、僕は負けん気かというくらいの、とにかく負けん気はイコールで僕自身だったのだと思った。しかし、さすがに今日は皆から取り囲まれだ状態でこれはいけないとさすがに思った。この延々とどちらかが地獄に落ちるだけのバスケットボールループを止めるためには、よしわかった!僕は「相手を褒める。受け入れまくる」ターンを設けるべきだって思ったのだ!僕はそして、早く家に帰って、文章を二万文字くらい書きたい書きたい書きたい、書かないと死んじゃうという衝動を抑えつつ、褒め言葉を考えたのだが案外それは短かったのである。それから、かつては僕がこうやって目前で何の意味もなくシュートを決めまくるだけだった過去を思い出し、経験っていうのは人生長いと、両側面で味わえるんだなって思ったのだった。