To be continued

単純な日記です。

フロイトと◯くん

しばらくの間毎日家の掃除をして過ごしていた。見渡せばだいたい片付いている部屋でも,内側や棚の隙間は大分汚れている。そこに掃除道具をもってきてやるのが常で,それはだいたい一日中休み休みおこなってるのでその間に色んな人がそこに訪れたり話していったりする。そうなったのも思い返してみれば多分掃除をしていてもいいと誰かからきっと言われたからで、根っからの,緘黙だった僕も、他人同様にどこかで解決の糸口を見つけるとそれが上手くいかなくなるまでいつもそうし続けているのだった。そのうち、掃除をすること自体にもはや◯くんの匂いが染み付いてきていると思った。た。「なんで?」「〜から」「どうして掃除するの」「気持ちよく過ごす為だよ」「成る程」たったそれだけで、僕は単にそれは,追求されないと言うだけで、それは相手がまだ,やさしいからじゃないかと思い、それじゃ自分のためにそうしているのかと理由自体がよくわからなくなったが、来るたび、当たり前みたいにしてそこで何度か話していた。そうして自分はもう平気になりつつある部分を感じていた。なぜ、そうしたのか、なぜ、いまだにそう考えているなんて呆れ返り,それからもまだやっている。昨日僕は、又◯くんにフロイトの論理を話してみる。◯くんは自分の母でも友人でもなかったが、いつかテレビで見た科学者みたいにして僕の言っていることの意味がほんとうに分かるようだったが、同時に僕はそれを分からなくても良いことなのにと感じているせいで、それをはたから見ていることでなぜかくるしくなるのだった。そうして元気になった僕は、退屈を絵に描いたように持て余して来ている。僕は外に出たいと思い、そこでどんな結果が待っていようと,ひとびとのお喋りや下らない人間関係に揉まれて,真っ黒になるまで遊びたいと唐突に考え,一体それは何かと思う。自分はふと思い、ひとは、他人の群れの間に入って生きているものじゃないかと思う。じゃあ、僕はとびとびで学んでいた色々な本や、動画や、詩なんかに対して、それは正しく役に立つものでしかないのに、どうして、つまらないような、鬱屈した気持ちを感じていたのかと思い,それはこの瞬間まで知っていた事でなく、そう感じたときからさかのぼり、本当はずっと自分はそのことを疑問に感じていたのじゃないかと思った。僕はもう他人の間にいない為、かと言って戻れもしないのは何故かを考えてみる。それは、自分をとりまいているのが世界で,世界がくるっているか、自分がくるっているせいだと何度目かに思った。これまであったくだらない人間関係、いざこざ、嫌いな他人のことを思いだし,僕はそれらが大嫌いだったのに、今はじめてそれら全てに揉まれてる事自体がひととしての時間を過ごす事だったんじゃないかと思う。なぜ、僕は仕事だと思っていたあれこれを、休んでいる間じゅう手をつけようと思わなかった理由を唐突に思いだし,それらを手で掴んでどこかへ投げ飛ばしたくなっていた。それからフロイトはと思い、僕は小さい種が土に落ち,それが芽を出し,花が出るまでが人生だとすると,僕達は出会うまでが人生なんだと思い、僕がこれまで過ごした生き方や他人の生き死にを思い出してはそれがいくつかのことを荒立てていたとしても、それは生まれたのなら誰にとってでも当然あるべくしてあったことなのじゃないかと感じたのだった。もっと外に出たいと思うのは,もっと,他人よりも生きたいと普通に人が思っているのも、花が咲くまでの論理だったんだと思い,それをもともと、肯定などしていなかった僕が、またさらに否定しなければならなかったのかと思った。僕が食べたくない、性欲が無いと思うことは、単なる病気じゃないかと思った。そんなふうに、元気になったせいで急に理解したことを、未来の事について◯くんらも知りたがっていると思い知らせようかどうか迷っていたが、僕の手元ではなんの形にもならなかった。

欲について

僕はふと、寝室の中で昨日見た夢のことを思い出していた。そうして鬱屈をかかえていた僕は、それ自体がどういう事なのかを解ろうとしてみた。僕は、欲ていうのは、人間が色々な面を持っていなければならない理由だと思った。それで、僕も他人とは分かち合えないような面があるという事、それがどういう事なのか辿って行くうち,それはもっと自分の内側へ、それから暗くて深い場所へ行ってしまうような気がし、目を閉じてるとより一層そう思えてくるのだった。僕はそんな風に暗い面を持ち,安価なものを食べたがり、色んなものを捨て、自分は時にはそれでもまた笑えるくらいの熱量があると思い,そうしてるうち、◯君が来ていた。そのときは、また黙っているだけの僕の頭のなかが読めるようで,僕はそれに任せたらどうなるのか見てみようと思った。◯くんはわたしに呼応していて、僕はそれはなぜかと考えていた。いつもならまるきり他人同士でいるせいで,ガチャガチャしている受け答えや、他人を受け入れなきゃならないという不安もあまり気にならなかった。



次の日,起きたら誰も家の中には居なくなっていた。いつもはすぐに忘れてしまう事だが、最近は忘れないように書き留めるようにしていて,そうするうち自分にとっても重要なことに思えてくるのである。けど何だかよく分からない朝だった。僕はなぜいつも,僕に対して匂いをもっと付けていかないんだろうと思った。ワガママな人は男でも,女でも皆そうして、僕の中にぐいぐいと介入して来ようとした。朝食を食べた後の皿洗いだとか、色んな事を忘れて生きてはいたが、僕は何故かこう思っていた。僕たちの様にこれ程うまくいった物事があったのに、ーそれはひとりの、健康を手に入れようとしてた人間の論理のように思えてきていて、僕は◯くんが自分に合うように,ちょうどいい話者としてずっといる事を本当にいつも勿体ないと感じているのだった。

これらのいろいろな気持ちが,いったいどこへ向かっていくのだろうと考えて、僕の考えはそのときはそればかりになっていた。