To be continued

単純な日記です。

女子高生

今日読んだ小説は面白かった。昨日からずっと小説を読み続けていて、頭の中と胸焼けでがグルグルになるみたいな感じがあった。今日読んだのはハードボイルド系のものだったので、そういう場合論述が効いてるのでグルグルな感じにはならなかった。こんな風なペースでもっと本を読み続けたい。

僕は本当に東野圭吾は天才だと思う。



あとは普通に仕事をしていて、Sは風邪のため休み、Mさんとは朝から一緒の勤務だった。いつも通りに暇を以てあましていた僕らはカウンター内で話してて、話題はMさんの弟の話になった。
Mさんには五つ年下の弟がいるらしいんだけど、この弟が大学を卒業したあとも働かずにフリーターをしていて、ネットで友達をつくってずううううっとゲームをして日中遊んでいるらしい。不安に思った両親はMさんに「弟が何をしているのか探ってほしい」という依頼をした。Mさんがパソコンを操作し(Mさんができるのはパソコンの起動→検索→シャットダウン程度なのだが…)履歴を確認していったところ、弟は複数のついったーアカウントを駆使してあれこれ書き込みをしているほか、かなりの猛者だったらしく暴言…虚言…エロサイト使い込みが激しくMさんはめまいを起こしてその場でぶっ倒れそうになった。
以下、Mさんとの会話


「高瀬くん、うちの弟大丈夫なのかな?結婚できると思う?」

「無理じゃないですか…」

「…でも、小さい頃はあんなに、優しかったのに。うち、ハムスター飼っていて」

「はい」

「ハムスターにチロリンって名前つけて一番可愛がってたの弟で」

「ああ」

「そんな弟ももう、24で。やっぱり変わっちゃったかな。すごいの。とにかく、メッセージ見ていると鬱屈が…たまってるのかなって」

「ううん。まあだいたい、男ってそんなもんですからね」

「高瀬くんもやるの?」

「僕ですか?いや。…まあ、たまに。たまにならあるかな」

「えっ?どういうとき?」

「まあ、ヤフコメが炎上しているときとか、ちょっと高揚して書き込んだりしたりはしていますね。あとはX JAPANが解散したくらいの騒ぎがあった日には、血が」

「うううん…そういうのなら、いんだけど」

「違うんですか?」
Mさんはこくりとうなずく。それはまるで、彼氏に構ってもらってなくて寂しい女子高生みたいだった。

「どんなふうに」

「乱暴なの」

「なにが」

「言葉使いが、破滅的なの。わたしそれ見て、さーっと血の気がひいてきちゃって。どうしても、わたしの中にいる弟の、あの優しい、お昼ご飯の時にわたしにピッチャーで水を注いでくれてた顔と、書き込みの内容が結びつかなくって」

「ああ。」

「はあ」

「気にすることないですよ」

「え?」

「そういうの、誰にでも一時期ありますから。」

「え、高瀬くんもあったの?」

「いや…ていうかこの流れ、さっきもあったような…
いや、だからね。そういうもんなんですよ。男、っていうか人間って。で、弟さん、お母さんお父さんに暴力振るったりとかしてるんですか?暴言吐いたり?」

Mさんは首をふる。その仕草はまるで、催眠術にかかった女子高生(略

「だったら、大丈夫だと思う。」

「変わらないのかなあ。…弟は、たぶん今も優しいけど、以前よりしゃべってくれないし。」

「変わりますよそのうち」

「どうやって。いつ。今、彼、フリーターなのよ」

「僕もそうでしたけど、とにかくプライドを発揮するような美人とか仕事が目の前に現れたら、男って一気に変わりますよ。とにかく理屈とか感情に訴えかけてもムダ。男ってそういうものですから。猿ですから。猿がおもちゃいじくって遊んでるだけだから、『しつけ』と『褒め』だけ怠らないでください。とにかく孤立だけはさせないように…」

そこで、店長が裏口のドアを開けてやってきてウウウン!と咳払いをした。

Mさんは、僕の隣からさりげなく距離を置いたと思うと、やっぱり女子高生みたいな仕草でエプロンを直したかと思ったら、ふいに高瀬くん、ありがと!っていう感じにほほ笑みながら僕の方を見てきた。

僕は(は?)と思った。

その後、何かよくわからないが意味不明に凶暴さが募ってきてMさんを後ろから張り手したいような気持ちに僕はなってしまったのである。多分、そうしたら「イヤ〜ン」って返してきそうなくらいの空気はあった。