To be continued

単純な日記です。

雨降り

今日は帰宅してからもずっと雨が降り続けていた。ざあざあと、家中に降り注ぐような雨の音と、もう夜なため、暗い外が窓に張り付いて見えているのだけど、何か不思議と、こんなに雨が降っているのに自分が雨に気分が支配されていないことに気付く。
なんだか変だ、と思った。例えば、休日、昼まで眠ってしまった時のような、休校なのに、自分だけそこにいるかのようだった。雨が降っている、それを単体で僕は見ていて、それからそれが、僕は地球の裏側で雨が同じように降っているような場面を想像させた。雨はその地域に降り注ぐ。僕は、それを見ていて、自分が打たれている間はそれに気がつかないのに、雨が降っている地域を、こんなふうに、地球の裏側で考えてみると、なぜか僕はそれをもっとまともに取り扱えるのに、という気がしてしまった。そこには多分僕と同じくらい、あるいはもっと小さな何も知らない女の子が暮らしていて、自分たちに雨が降り続けていることにきっと気がついていないのだと思った。僕はそんなふうに距離を置いて見ている限り、僕はそのことを当然、自分の身に置きたいことと考えたくなり、それからそのためにならなんでもできそうな気さえしてくる。それは思い込みでしかなく、それも、エゴに近いものなのかもしれなかった。僕は暗い部屋で、雨の音を聞きながら、「けど、いったいどうして」そんなことをこれまで、一度だって考えたことがなかった。僕は雨が降っている限り雨は僕だと感じていた。僕の上に雨が降っているのではなく、僕は雨の一部だと感じていた。
僕は、それからその無分別を、地球の裏側の人たちに思い、それを伝えたくなったのだった。僕が、持てる限りのものを持って。僕が、何かをすくいとれる限りの言葉を尽くして。それは、自分勝手なことだったろうか?でも、僕がそこを見ている限り、そしてその人たちが僕を見ている限り、その意思は、この地球上では限りなく、何よりも正しいことのように思えた。
僕はそんなふうに、地球の裏側のことを考えていた。僕はそちら側でも雨が降っていて欲しいと思っていた。僕がそう願うための論理はたぶん、それは収縮する大気。それから影を落とし、人びとの日常をさらう風、雨、気まぐれに当てたもの。
雨はいつ止むのかよく分からない。その、分からなさはいつも僕を無思慮にさせたのに、僕は今日は、雨とは別々の存在でいたのだ。